高木沙織さん
スーパーフードエキスパート
高木沙織さん
スーパーフードエキスパートのほか、ビューティーフードアドバイザー、ヨガインストラクターなどの資格を持ち、食と美容・健康の多角的にサポート。執筆・イベント講師・メディア出演などマルチに活躍。
飽食の時代といわれる現代、食生活の乱れや運動不足などによって肥満の人が増えています。肥満は生活習慣病の大きな要因として、積極的な予防・改善が必要です。
健康的なダイエット法とは、体に必要な栄養はしっかり摂取した上で体を動かす習慣を身につけることです。極端な食事制限だけでのダイエットは代謝を低下させ、太りやすい体質に…。
ダイエット中の食事は体をつくる主成分であるタンパク質と体の代謝に必要なビタミンやミネラルをしっかり摂取することがポイントです。
豊富なタンパク質やビタミン、ミネラルをカバーしているスピルリナの摂取で、ダイエットをサポートしましょう。
髪の毛の主成分はタンパク質です。そのため、タンパク質が不足してしまうと髪の毛のトラブルが起きやすくなります。
タンパク質は、様々なアミノ酸が集まって構成されており、その種類によって体に与える影響は様々。
その中でも特にチロシンとシスチンは白髪の予防や健康な髪の毛を作るために欠かすことのできないアミノ酸です。タンパク質が不足してしまうということは、これらのアミノ酸も不足してしまうということ。白髪や抜け毛などの髪の毛のトラブルにつながってしまうのです。[注1]
スピルリナのタンパク質はアミノ酸の種類が豊富で、バランスも大変優れています。髪の毛のトラブル予防・改善には、スピルリナの良質なタンパク質の効果が大いに期待されます。
便秘の原因としては主に、運動不足やストレス、小食やそれに伴う食物繊維不足、水分不足などが挙げられます。その中でも、便秘解消に大きく影響を及ぼすのが食物繊維。
食物繊維は多くの人が普段の食事では必要量を満たしていないとされおり、便秘の有無に関わらず積極的な摂取が推奨されています。
食物繊維には2種類あり、水に溶ける水溶性食物繊維は腸内環境を整え、善玉菌を活性化させます。水に溶けにくい不溶性食物繊維は、腸を刺激することで腸内の老廃物を排泄しやすくします。
つまり、便秘の解消・予防にはこの2つの食物繊維をバランスよく摂取することがポイント!
スピルリナにはこの2つの食物繊維がバランスよく含まれているため、便秘解消・予防に一役買ってくれる食品といえるでしょう。
誰しも多かれ少なかれ体のニオイ(体臭)はもっているものです。たいていの場合はさほど気にならないものですが、年齢を重ねるとともに自分のニオイが気になってきたという人も。
気になる体臭の改善には、消臭剤やフレグランスもよいですが、根本的な解決とはなりません。体臭は、原因によって適切な対策をすることで大幅に改善されるといわれています。
特に、体内や腸内からの体臭に関しては、体内環境の改善が効果をもたらすようです。[注2]
腸内体臭については、腸内環境を整える食物繊維が有効であるとされています。
また現在、クロロフィルという緑色色素が体内体臭改善への効果が期待できるとして様々な研究が進められています。[注3]
スピルリナにはクロロフィル、食物繊維が豊富ですので、体内、腸内由来の体臭の改善に効果が期待できそうです。
しみ、しわ、たるみ、毛穴…年齢を重ねるにつれて様々な肌の悩みも増えてくるものです。
これらの原因は、加齢のみならず、肌の乾燥や偏食、睡眠不足などの生活習慣の乱れ、便秘などの体調不良、紫外線ダメージなどが深く関係しているとされています。
肌の主成分はタンパク質ですので、まずは良質なタンパク質をしっかりと摂取することが美肌への第一歩です。
くわえて、ビタミンA、B群、C,Eなどのいわゆる「美肌ビタミン」とよばれるビタミンの摂取も大切です。
タンパク質と様々なビタミンをバランスよく摂取するのがよいと分かっていても、毎日となるとなかなか難しいと感じる人も多いと思います。
一度難しいと感じるとなかなか継続が困難になってしまうものです。そういった場合には、サプリメントや健康食品で不足している栄養素を補うことが効果的です。
良質なタンパク質、ビタミン類がスピルリナにはギュッと詰まっていますので、美肌づくりの強い味方になってくれることでしょう。
季節の変わり目や疲れがたまっている時に風邪をひきやすいものです。その理由は免疫力が低下していることが挙げられます。
免疫とは病気から体を守るものですが、様々な原因で低下してしまうと風邪などの体調不良に陥ってしまいます。そのため、風邪の予防には免疫力を高めることが重要です。
毎日の食事に含まれる栄養素の中には免疫力を高める働きをもつものがあります。「ビタミンACE」とよばれるビタミンです。
聞きなれない名前ですが、これは、粘膜を強化する働きをもつビタミンA、ウイルス増殖を抑える免疫細胞を活性化する働きをもつビタミンC、血行促進作用で免疫システムを活性化する働きをもつビタミンEという、免疫力を高めるために欠かせないビタミンをまとめた言葉なのです。[注9]
これらのビタミンはスピルリナにもふくまれており、免疫力アップが期待できるため、風邪予防につながると考えられます。
最近では老若男女問わず、健康のために筋力アップを目指したトレーニングをしている人も増えているようです。
筋力が落ちてしまうと転倒などのリスクが高まりますし、年を重ねていくと気づかぬうちに少しずつ筋肉の量そのものが減少していってしまいますので、健康の維持のためには積極的に筋力トレーニングを行いたいものです。
より効果的な筋力トレーニングにあたっては、運動そのものだけではなく、体を作るタンパク質の摂取もポイントになってきます。だからといってたくさんタンパク質を摂取すればたくさん筋肉がつくというわけではありません。毎日の食事を基本に足りない分を補うようにしましょう。
スピルリナは良質なタンパク質を含み、その他の不足しがちな栄養素も補うことができますので、健康の維持、筋力アップのサポートに適しているといえるでしょう。
異常があってもなかなか症状が現れにくい肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
肝臓は体内に入ったアルコールや薬剤などの有害物質の無毒化や、栄養素を体内で使える形に生成・供給、肝臓で作られた老廃物を流す胆汁の生成・分泌など1つで何役もこなす働き者の臓器なのです。肝臓は暴飲暴食やウイルス感染によって機能低下に陥ってしまい、重症化すると肝硬変や脂肪肝などにつながってしまいます。
不調が現れにくい分、日頃から肝臓のケアを意識した食生活が大切です。
スピルリナに含まれるタンパク質はフィコシアニンという成分が主で、スピルリナの最大の特徴ともいうべき成分。フィコシアニンには肝臓を守る作用があることが研究により明らかになってきています。[注4]
効率的にフィコシアニンを摂取できる食品として、スピルリナは注目されています。
より確かなことを皆さんに届けるために、薬剤師の井手口さんにもご協力いただきましたので、詳しくご紹介します。
強い痒みを伴い、何度も繰り返すアトピーはアレルギー症状の1つとされています。
乾燥してバリアが弱まった皮膚からアレルゲンが体内に侵入することで症状が現れ、医療機関での治療が必要な場合もあります。[注5]
海外では、食品にも含まれているγ-リノレン酸を主成分としたアトピー治療薬が認可されているそうです。[注6]
γ-リノレン酸は脂肪酸とよばれる成分です。食品やサプリメントから摂取して体内のγ-リノレン酸量を維持するというのもアトピーの改善・予防に期待できそうです。
スピルリナにもγ-リノレン酸が含まれているのですが、加えてスピルリナは抗アレルギー作用ももっていることが研究によって明らかにされています。[注7]
γ-リノレン酸、抗アレルギー作用というスピルリナのダブルパワーが期待できるかもしれません。
薬剤師の井手口先生からも詳しく教えていただきましょう。
花粉症は春先のみならず年間を通して様々な植物の花粉によって引き起こされます。
花粉症の症状として代表的なくしゃみ、鼻水、目のかゆみなどはアレルギー反応と呼ばれ、体がアレルゲン(花粉)と闘い、追い出すために現れるものです。
体がアレルゲンと闘うときに活躍するのが免疫システムを司る免疫細胞です。この免疫細胞の力がいわゆる免疫力というものです。[注8]
花粉症の改善・予防には免疫力を高める体づくりが有効です。スピルリナは高い抗アレルギー作用をもつことが研究によって明らかにされており、その報告によると、アレルギー症状を引きおこす化学物質を作り出すIgEという抗体を抑え、同時にアレルゲンが体内に入るのをブロックするIgAという抗体を活性化、また、粘膜の炎症を抑えるという、花粉症に悩む人には大変うれしい働きがあるとされています。[注7]
薬剤師の井手口先生からもアドバイスを頂きましたので、くわしくチェックしていきましょう。
妊娠すると普段よりたくさんのエネルギーが必要になります。タンパク質、ビタミン、葉酸、カルシウム、鉄など、必要になる栄養素は数え切れないほど。
スピルリナは現代社会で不足しがちな栄養だけでなく、妊娠中に不足しがちな栄養素も含むスーパーフード。100%スピルリナだけでできているサプリメントであれば、妊娠中や授乳中でも添加物や保存料を心配せず摂取できます。いつもの食事だけでは難しい、1日に必要な栄養をサプリメントとして気軽に摂り入れられるスピルリナは、妊婦さんにおすすめの補助食品なのです。
また妊娠中だけでなく、妊活中や妊娠前の摂取もOK。妊娠前の体づくりとして栄養管理に取り入れるのも良いでしょう。
まとめ
高木さんからアドバイス
スピルリナのもつ様々な効果は、スピルリナに秘められた50種ともいわれている栄養成分によるものです。スピルリナの効果については今なお様々な研究が進められています。将来、新たなスピルリナの力が明らかになるかもしれません。
このように、実に様々な効果が期待されているスピルリナですが、その効果を実感するためには、一定期間以上の継続が必要です。スピルリナは薬ではないため、摂取したからといってすぐに効果が目にもえるものではありません。
また、スピルリナを食事替わりにするという摂取方法ではなく、きちんとごはんやパン、肉・魚や野菜など、しっかりと食事をしたうえで、その不足分をスピルリナで補うようにしましょう。
健康を意識した毎日の食生活や生活習慣がベースにあってこそ、スピルリナは効果を発揮します。上手にスピルリナを生活の中に取り入れて、健康な毎日を送りましょう。
日本で最も多いとされている生活習慣病が高血圧。高血圧自体はこれといった症状が現れるわけではありませんが、血圧が高いと血管の壁に対し強い圧力がかかります。その結果、全身に張り巡らされた血管のいたるところが傷つけられ、脳梗塞や腎不全、動脈硬化などのきっかけとなってしまいます。
血糖値の上昇も生活習慣病の大きな割合を占める糖尿病につながる危険性があります。放置していると最悪失明や手足のひどいしびれなどを引き起こしたりします。
これら症状の改善には食生活を見直すことが非常に大切になってきます。とはいえ栄養バランスのとれた食事は作るのが手間だったり、金銭的な負担にもなりえます。
スピルリナは栄養補助とした健康食品なので、手軽な栄養バランスサポートに一役買うでしょう。
[注2]MYLOHAS「体臭の原因って?医師が教える、正しいニオイ対策」
[注3]国立健康栄養研究所「食品の安全性・有効性情報・クロロフィル」
[注4]市村真佑子「高血圧および非アルコール性脂肪性肝炎に対するフィコシアニンの効果の検討
[注5]第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」アトピー性皮膚炎の症状・原因
[注7]国立健康栄養研究所「健康・栄養フォーラム・健康影響評価:スピルリナ」