高木沙織さん
スーパーフードエキスパート
高木沙織さん
スーパーフードエキスパートのほか、ビューティーフードアドバイザー、ヨガインストラクターなどの資格を持ち、食と美容・健康の多角的にサポート。執筆・イベント講師・メディア出演などマルチに活躍。
スピルリナの摂取によりおなかの調子が悪くなったという人もいるようですが、一時的な下痢・軟便または便秘の症状は、スピルリナに含まれる食物繊維をはじめとした栄養素による腸内細菌の活性化や、腸の刺激などによるものとされています。
個人差がありますが、これらの症状は徐々に落ち着いてくるものなので、心配はなく、副作用とよばれる程のものではないと考えられます。
慣れるまではスピルリナの摂取量や摂取回数を加減するなど、体が落ち着くペースにあわせて摂取していくようにしましょう。
ただし、スピルリナは豊富なタンパク質を含む健康食品ですので、たんぱくアレルギーなどアレルギー体質の場合には、スピルリナの摂取前に医師に相談しましょう。
また、下痢などをはじめとした消化器症状が強くなったり、ずっと継続するような場合にもアレルギーが疑われるため、一旦スピルリナの摂取を控え、医療機関に相談するようにしてください。
スピルリナの摂取後、吐き気や嘔吐の症状が現れた場合には、スピルリナが体に合わない、いわゆる食物アレルギーの可能性も考えられますので、スピルリナの摂取を一旦中止し、医療機関の受診をおすすめします。
すぐに症状が治まっても、摂取を続けてしまって重篤なアレルギー症状を起こしてしまっては大変です。
アレルギー検査などを受け、そのうえで医師と相談をしてスピルリナの継続または中止を検討してください。
スピルリナは豊富な栄養を摂取できる健康食品ですが、すべての人の体に合うというわけではありません。
他の食品と同様に、体質的にどうしても合わない人もいますので、吐き気や嘔吐があった場合には、自己判断で無理して続けるようなことは避けましょう。
海藻類に多く含まれるヨードが甲状腺ホルモンを作ることから、海藻類が甲状腺機能亢進症や機能低下症に悪影響といわれているようです。
確かに、甲状腺に病気がある人はヨードの多い海藻類の摂取には注意が必要です。[注1]
しかし、スピルリナは海藻類とは組成が全く異なっていて、ヨードはほとんど含まれていません。
そのため、スピルリナは甲状腺によくないというのは間違いであるといえます。
ただし、数あるスピルリナ商品の中には、一定量のヨードが検出されているものもあるようですので、スピルリナを選ぶ際にはパッケージ等の成分表示をよく見るようにしましょう。
スピルリナは栄養補助を目的とした健康食品ですが、持病などで服用している薬がある場合には注意が必要です。
最も気を付けたい薬としては心筋梗塞の治療・予防に使われるワーファリンが挙げられます。[注2]
ワーファリンは抗血液凝固薬といって、血液をサラサラにする薬効があります。
この薬効がビタミンKによって弱められてしまうのです。
そのため、ビタミンKを含むスピルリナの摂取は控えたほうがよいとされています。
また、女性にとって身近な薬として、低用量ピル(経口避妊薬)がありますが、こちらに関しては、特にスピルリナとの飲み合わせの問題はないとされています。
ワーファリンに限らず、服用している薬がある場合には、スピルリナの摂取前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
たんぱく質やビタミンミネラルが豊富なスピルリナは、ニキビ改善や美肌に効果的な栄養素をたくさん含んでいます。そのため美容目的でスピルリナを摂取する方も多いものですが、「スピルリナ摂取で逆にニキビができてしまった!」という方もいるようです。
スピルリナの副作用としてニキビや肌荒れは報告されていませんが、もしもスピルリナによって肌の不調を感じたら摂取は控えるようにしましょう。
「肌荒れは好転反応かも?」と考えるかもしれませんが、科学的根拠はありません。アレルギーなどで拒絶反応を起こしている可能性もありますので、スピルリナが自分の体に合っているか慎重に見極めましょう。
スピルリナの副作用は基本的に軽度といわれていますが、吐き気や下痢などのほか、まれに頭痛が起こる可能性があります。
ただスピルリナ自体に頭痛を引き起こすほどの成分は含まれておらず、体質によるものが大きいとされています。またサプリメントなどを服用している場合、亜鉛などの過剰摂取によって頭痛になることも。
いずれにせよ「スピルリナ摂取で頭痛になっているかも…」と感じた場合は摂取を控え、気になることがあれば医師に相談するのがおすすめです。
健康や美容のためにスピルリナを飲んでみようと思っている人は、飲みはじめの体調の変化をよく観察しながら、徐々に慣らしていくようにしましょう。
最初から規定量を摂取するのではなく、少量から始めることで、スピルリナによる飲みはじめの体調変化が幾分穏やかになります。
ただし、吐き気などが現れる場合には、体に合っていない可能性もあるため、スピルリナの摂取を中止し、医療機関に相談してください。
スピルリナには様々な商品がありますので、選ぶ際には必ず不純物が含まれていないかなどの安全性やその商品の摂取量、摂取方法などをきちんと確認することも大切です。
人それぞれ体質が違うので、他の人に効果のあったスピルリナ商品が自分にも同じように効果があるというわけではありません。
自分の口にするものは、きちんと自分の目で確かめて利用するようにしましょう。
スピルリナの副作用とはいかないまでも、飲みはじめにおなかの調子が悪くなったりという症状が生じる場合があることは事実です。
スピルリナは毎日続けることで効果が実感できるものです。
最初から無理せず、自分の体の調子に合わせて摂取量を調整することで、飲み始めの不快な症状を抑えることができます。
スピルリナの摂取にあたっては、それぞれの商品に示されている摂取量・摂取方法をきちんと守ることを前提に、自分の体調をよく観察しながら上手に取り入れ、スピルリナパワーで健康な毎日を送りましょう。
[注1]全日本民医連「甲状腺の病気・意外に多い機能亢進症・機能低下症」
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