スピルリナに含まれるプリン体と痛風の関係性について解説しています。当サイト「Spira Style」ではスピルリナを取り入れた生活提案のため、より信ぴょう性のある情報をお届けするべく薬剤師の井手口直子さんに監修していただいています。
井手口直子さん
薬剤師
井手口直子さん
帝京平成大学薬学部教授の薬学博士。薬剤師、カウンセラーのほか、日本スーパーフード協会理事、メディカルスーパーフードマイスター講師として活躍。
ラジオNIKKEI「井手口直子のメディカルCafé」にてパーソナリティを務める。
痛風の原因として広く知られているプリン体は、尿酸の原料です。予防にはプリン体の制限が必須。健康づくりのためにスピルリナを摂取したいものの、プリン体が含まれていないだろうかと心配な人もいることでしょう。ここでは、スピルリナと尿酸値、プリン体の関係を詳しくみていきます。
プリン体、尿酸値は、高尿酸血症、いわゆる痛風の原因および診断指標とされています。
尿酸はプリン体という成分が体内で分解されることでできる老廃物です。通常は腎臓を介して尿とともに体外に排出されますが、食べ過ぎ、飲み過ぎなどの食習慣の乱れにより、その代謝が悪くなると、体内に蓄積していってしまいます。
特に、関節や腎臓に蓄積しやすく、風が吹くだけで激痛がはしるという痛風発作は、尿酸が蓄積しやすいとされる足の親指関節に尿酸が蓄積して引き起こされるもの。
このことから、痛風予防のための尿酸値コントロールには、プリン体の摂取量を制限する必要があるのです。
尿酸値コントロールには、痛風の予防には尿酸のもととなるプリン体の摂取制限が必要で、プリン体がどんな食品に多く含まれているかを知る必要があります。
プリン体の多い食品として代表的なものは、レバー類、白子や一部の魚介類、乾物や干物など、お酒のおつまみに好まれるような食品が多くあげられます。
また、アルコール類、特にビールなどの醸造酒にはプリン体が多いので、これらの食べ過ぎ・飲み過ぎは禁物です。
日本痛風・核酸代謝学会が示している「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」によると、食品からのプリン体摂取許容量は、1日あたり400mg以内とされていますので、現在痛風でない人であっても、予防のためにこの基準以内の摂取に抑えるのが望ましいでしょう。[注1]
実はスピルリナにも尿酸値は含まれます。しかし、尿酸値が高めの人や痛風の人がスピルリナを控えるべきかというと、そうではありません。
スピルリナの1日の摂取目安量は、平均で3g、その中に含まれるプリン体の量は5.3g程度とされています。[注2] 痛風の食事療法として、プリン体の摂取制限がありますが、だからといって食べてはいけない食品は基本的にはありません。要は、プリン体の量と栄養バランスに注意しながら食べることが大切なのです。
このようなことをふまえると、痛風だから、尿酸値が高いからといってスピルリナの摂取を控える必要はないといえるでしょう。もちろん、スピルリナを摂取したから尿酸値があがるという心配もありません。ただし、普段の食事でプリン体を多く摂っている場合には、食事内容を見直した上でスピルリナの摂取をするようにしましょう。
まとめ
井手口さんからアドバイス
尿酸値を気にしている人、痛風で食事制限をしている人にとって、プリン体は悩ましい存在。ですが栄養バランスを整え、適量の食事を心掛けるようにすれば、おいしいものや好きなものを我慢せずに食べることができます。念のため摂取にあたっては医師への相談をおすすめしますが、スピルリナはプリン体制限や尿酸値コントロールをサポートするにあたり強い味方となってくれることでしょう。